死に逝くという事

ドイツはフランクフルトを南に1時間ほど下ったSpeyerという人口5万にほどの街にいます

初夏の庭にはお義理母さんが丹精込めて育てたバラの花があちらこちらに咲き誇っていて、

池に住み着いているカエル達は毎晩素晴らしい声でオーケストラ

もう東京に帰ってもなかなか見る事のできなくなったトンボもいっぱい飛んでいる

実は、この旅行でドイツに来る10日ほど前、彼のお母さんが心筋梗塞で倒れたと彼の弟さんから電話が入った

弟さんが、お母さんが実際に倒れた事を知ったのも、手術も無事に終わった2日後、

そして私の夫に彼から知らせが入ったのは3日後だった

お医者さんであるお父さん、早朝、『何だか具合がおかしい』と訴えたお母さんを診察し、

これは心筋梗塞だ、と、即判断して救急車を呼んだ

20分後には病院にて緊急手術した事が幸いして、お母さんは命を取り留めた

お父さん、手術が終わって様態が安定したところで娘さんたちに連絡

お母さんは、遠くに住み弟さんと私の夫には知らせないように硬く約束させて、

様態が本当に落ち着き大丈夫、となったところで我が家に連絡が来た

偶然にも、ドイツに旅行が決まっていた私たち、予定を早めてくるかどうか、夫は本当に気が気でなかったはず

術後、4日後には自宅に戻ったお母さん

でも、自宅に戻って、やっぱりあれやこれやと動いてしまうのが女である

体が付いていかず、不調を訴えた為、

病院に戻って安静にしてもらう事になったとドイツへフライト直前に知らされた夫

容態がおかしくなり病院へ戻った聞かされた夫

飛行機に乗っている10時間、彼がどんな気持ちだったか、私には決して想像できない

自分でうまく説明できないけど、私は正直言って『死』と言う事に対して感情の起伏が昔から少ない

家族、自分の祖母や祖父の死しか身近に経験した事は無いけれど、

映画の中のように、本で読んだ時のように、悲しい、と言う感覚が溢れてこない

正直、自分自身にそうした感情がない事を悲しく思った事がある

彼のお母さん、70代前半

病院であったお母さんは、心筋梗塞を乗り越えたばかりとは思えないぐらい元気だけど

やはり、以前のような覇気が無い

私自身、もちろん、老化、と言うほどではないけれど、40近くになって身体が絶頂期を越えた感を実感している

ある年齢を超えたら、人はいつか死に逝くのだという事を何処かで穏やかに感じているのだと思う

20代で、『事故にあって明日死ぬかもしれないから、今日を思う存分生きよう』と思う事とは全然違う

身体と言う実際にこの世に生まれ出たものが、生命の一環として、花が枯れていくように、機能が低下していく実感

体の何処かの機能が低下し、

心臓が動かなくなったり、免疫力が落ちたり、癌になったり、

人間の体は、いつか生から死へと変わる為に日々変化し続ける

うまく説明できない

今回ドイツに戻ってきて、彼のお母さんに会う事がきて、涙が出そうになった

こんな風に誰かの病気や死へ立ち向かっている瞬間を自分自身が悲しく思った事が無い

私は、夫の事を心から愛していて、そんな素晴らしい人を育て上げた彼のお母さんを偉大だと思っている

もし、いつか自分の子供を持つ事ができたら、私なりに、でも彼のお母さんを思い出しながら育てたい

距離もあるし、言語の問題もある

だから私のそんな気持ちがどれだけ彼の家族に伝わるか分からないけど

こうして、人の時間が刻々と刻まれ、終わりへと向かっている時、

死に逝く人だけではなく、周りの惜しむ人達も、今できる全てをベストを尽くしてしなければいけないと思う

後悔しないように

 

 


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